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賃貸需要をカテゴリー別に考察する
 
マレーシアのメイン産業から考察する駐在員向け賃貸の需要

 

 

駐在員の住居は、通勤することになる現地法人がどこにあるのかを知らなくてはなりません。

 

ジョホールバルにある外国企業は、イスカンダル計画で開発している西部とは逆の東部のジョホール港の周辺(パシールグダン工業団地1972年~)やジョホールバル市中心から少しだけ外れたところに工場やプラントを置いています。

 

その多くがジョホール港(1977年~)を使った輸出入に関連した企業です。

 

最大の産業は、石油、天然ガス、パームオイルです。

Shell、BP、Caltex、Petronas、Mobil、出光などの世界的な大手企業がプラントをパシールグダンに置いています。

 

マレーシアの税収の約半分が石油およびガスの供給を行う国営企業であるペトロナス(Petronas)一社からきていることから想像できるように、この石油、天然ガス、パームオイルはマレーシアのメイン産業です。

 

これに比べるとイスカンダル・プロジェクトで進めているSiLC(工業団地)やセナイ空港周辺のハイテク産業団地の計画規模からすると、経済効果、駐在員数、雇用者数はパシールグダン工業団地、その中心にあるオイル・ガス産業以上の計画では今のところありません。

 



パシール・グダン工業団地
ジョホール港

 



ヌサジャヤSiLC(工業団地) 2012年10月撮影

 

パシールグダン工業団地は1972年にスタートし、1980年~2000年の約20年間国内外からの多額の投資により開発されてきました。

 

イスカンダル・プロジェクトのSiLCやハイテク工業団地は、現時点では、土地開発・企業誘致段階で、一部が工場建設着工、稼働開始したかどうかというレベルですので、海外からの駐在員や大勢の従業員がそこに日々勤務する日はだいぶ先になると考えた方が良さそうです。

 

 

 

家賃相場も知らないで投資している人がいる

 

というのが、私の感じた率直な感想です。

 

これまでは不動産価格が安かったので、一部の人気マンションでは7―8%の賃貸リターンが出ていましたが、不動産価格が上がった今買った人が7-8%の賃貸リターンが出るのでしょうか?

 

それには、不動産価格が20%上がれば、賃貸も20%上がらないといけません。

駐在員経験者は分かると思いますが、海外駐在員の各国や地区の家賃予算というのは人事規定で定められており、いくらでも自由に上げられるものではないからです。

 

各企業の家賃予算ですが、日系企業のボリュームゾーンは3000~4000RMで、欧米企業は4000RM~6000RMです。

もちろん企業によってはもっと多いところもありますし、少ないところもあります。

 

 

また、シンガポールに勤めている駐在員の方がジョホールバルに住んでいる場合は10000RMなど、

かなり広い戸建てに住んでいるケースもあります。

 

そのほかにもリタイア移住の方たち、マレーシア企業のクアラルンプール本社に勤めているマレーシア人がジョホールバル支社勤務になり2-3年間賃貸するなど、賃貸する方たちは様々な属性がいますが、我々投資家が購入した物件を借りてくれる方の対象は、外国企業の駐在員ととらえて問題ないと思います。

 

現状は、利便性の高いジョホールバルの中心地のマンションや戸建て、中心地(シンガポールとのイミグレーション)からジョホール港(パシールグダン工業団地)の間に位置する地区に多くの外国人駐在員ご家族が賃貸して住んでいます。

パシールグダン工業団地に勤務しているからと言って、工場周辺に住居を借りられる方は限られています。

 

ここで特に記述しておきたいことは、今のところ、すぐにテナントを見つけられるコンドミニアムや住宅地は数か所ぐらいしかないことです。

 

日本人小学校・中学校の生徒が合計86人(2012年時点)というレベルですから、どこでも駐在員が列をなして借りてくれるわけではありません。

 

2014年~2015年に120を超えるプロジェクトが完成し、新規住居が大量供給された後、テナント付けが今よりも難しくなることが予想されます。

 

 

 

特に、アクセスが不便なところに建てられた物件は厳しいです。

 

ジョホールバルでは、いくつかの新築住宅街ができていっています。

そこはシンガポールとのイミグレーション(CIQ)から遠いところがほとんどですが、新しい街並みで、いろいろ揃っており、価格がまだ安いため、良く売れています。

 

現地の華僑の人に特に人気があり、大半が現地の華僑が住んでいます。

しかし、駐在員の職場や生活場所(コミュニティ)からアクセスが悪いため、自分で住むために購入されるにはいいかもしれませんが、欧米企業の駐在員に貸すのはなかなか厳しいのが現状です。

 

これから不動産を取得される人は、取得価格がだいぶ高くなってきていますので、高めの家賃を払える入居者(欧米企業の駐在員など)のニーズに合致させていくのが望ましいと思います。

 

賃貸利回り(賃貸付け)を考えるとどうしても物件が限られてしまっているのが現状です。

 

 

シンガポール通勤者の賃貸需要

賃貸や居住の需要においては、このパシールグダン工業団地需要の他に、忘れてはならないのがシンガポール通勤者の需要です。

日々6万人~10万人がジョホールバルとシンガポールを往復していると言われています。

 

1. マレーシアの他の州からやってきた人やジョホール州の人で、シンガポールで仕事をする人たち

2. マレーシア出身のシンガポール永住権(PR)保有者もしくはシンガポール国籍を取得した人たち

 

シンガポールは非常に住居が高いため、上記の人々の中にはジョホールバルに住居を構え、日々通勤しています。

 

マレーシア出身のシンガポール永住権保有者もしくはシンガポール国籍を取得した人たちが、ジョホールバルの新築高級住宅地や高級コンドミニアムを自身の住居として、また、投資物件としても購入していっています。

シンガポールへの通勤に便利かどうかがポイントになりますので、彼らは国境のイミグレーションへのアクセスを最重要視します。

そのため、現在2つあるイミグレーション(コーズウェイとセカンドリンク)に近いところにこの需要に応じた新築物件もだいぶ出てきています。

 

このシンガポール通勤需要も、ニーズと予算をしっかりととらえておく必要があります。

 

賃貸が付きやすい物件はニーズと予算に合ったものですので、そのニーズがわかっていないといけません。

 

家賃が予算に対して高過ぎたり、通勤、通学、日々の買い物、習い事、友達関係など生活に不便だったりするものも賃貸がつかないとは言いませんが、付きづらいです。

 

購入する際に、“この物件は誰がいくらで借りる”そして“その対象に対して競争力ある物件かどうか”を検討する必要があります。いくら良い物件でも、予算より高ければ、借りてくれません。

 

 

 

ジョホールバルは今、新築分譲物件の多くが、発売から短い期間で完売しており、出せば売れるという人気ぶりです。

 

デベロッパーもそのような状況ですので、第一期が完売したら、隣に第二期を値上げして販売、第三期をさらに値上げして販売と供給をし続けていっています。

 

以上のような考察をまとめますと、

 

2014~2016年に集中して多くの物件が完成し、その多くが投資目的(転売か賃貸)だとするのであれば、その中でしっかり次の買い手がつく物件、なかなか次の買い手がつかない物件と格差が出てくるはずです。そこを十分に見極めることが大事だと思います。


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プリビルド(新築)物件VS 完成物件(1)

 

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