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最近の親子留学について
 
 

ここ数年、子どもの教育目的で

フィリピンやマレーシアなどに移住する人が増えています。

 

弊社にも、教育移住に関するお問い合わせや、

ご案内が増えております。

 

私自身、大阪で生まれ育ち、10歳時に父親の仕事の関係で

アメリカ・シアトルで15歳まで生活し、高校入学時に

日本に帰国した帰国子女です。

 

私には、2人の子どもがおり、

彼らは上の子が3歳、下の子が2歳の時に、

中国・上海への赴任後、ずっと海外で生活をしており、

現在、上の子は11歳、下の子が10歳になりました。

 

今は、2人ともジョホールバルにある

Marlborough College Malaysiaという

昨年開校したイギリスにあるボーディングスクール

のマレーシア分校に通っています。

 

私が上海で8年前に起業し、今こうして

ジョホールバルにいるのはいろんな経緯と

理由がありますが、1つに子育てもあります。

 

皆様も十分、ご承知かと存じますが、教育というのは

長期にわたるもので、子育てはやり直しができませんので、

情報に振り回されて、ころころ変えていくのは

望ましくなく、しっかりとしたコンセプトが必要です。

 

 

まず、はじめに、以下の価値観の対比をご覧ください。

 

 

(1)個性を認めない、人と違うことを認めない。

        VS 個性を伸ばし、他人と差別化させる。

 

(2)減点主義、前例主義

         VS 加点主義、チャレンジスピリット

 

(3)アカデミックスマート(ペーパーテストでの成績優秀さ)

   VS ストリートスマート(行動力、アイデア、コミュニケーション、創意工夫など)

 

(4)単一価値観   VS  多様な価値観

 

(5)単一言語   VS  マルチ言語

 

(6)どうやるか(How to do)の習得 

       VS   何をするか(What to do)の習得

 

(7)誰か(国、組織、他人)が何とかしてくれるはず(依存)

      VS 誰も何もしてくれないから、自分で生きていくしかない(自律)

 

私が日本に戻らなかった理由、そして、子育てのために

海外移住を選択した人は、上記左側ではなく、

なんとか右側に持っていきたいと考えているからではないかと思います。

 

こういう教育を受けさせてあげたいと教育移住を決断されるのも

すごく理解できます。

 

実は、

それよりもはずしてはいけない大切なポイントがあり、

あまり書いている人がいないので、ぜひご紹介したいと思います。

 

 

1.自分は日本人である。

 

誰もが自分と似た人と集団行動する傾向にあります。

白人は白人で輪になり、アジア人はアジア人で輪になります。

 

アメリカ人と同じ教育を受けたからと言って、

自分はアメリカ人ではありません。日本人の容姿をしています。

 

人種差別は、本人が努力して解決できるものではありません。

 

白人社会で、同じ能力の白人とアジア人がいたら、白人が採用される、

 

これは共通認識です。

 

 

2.一体誰が自分を応援してくれるのか?

 

サッカーの本田、香川、長友など海外でトップレベルで

活躍している選手がいます。

 

彼らを応援している人が一番多い場所はどこでしょうか?

 

所属チームのサポーターではなく、

間違いなく、日本に住む日本人です。

スポンサーは、日本企業であり、日本での放映権であり、

日本での販売増加を目指す海外企業です。

 

だから、シーズン中でも、

日本代表の親善試合でも、彼らは長距離移動にも関わらず、

日本に戻ってきて、プレーすることをチームが了承しています。

 

日本での人気が落ちては、元もこうもないのです。

日本での人気が上がるから、移籍金が上がるのです。

 

イチローは、ずっとマリナーズでした。

任天堂のオーナーの山内さんが個人で所有している球団です。

 

アメリカで試合をしているはずなのに、

イチローがバッターボックスに立つと、日本語の広告が

表示されることに気づかれた方も多いと思います。

 

誰が自分を応援しているのか。

 

それは”日本であり、日本人”ですので、それを決して忘れては

いけません。

 

 

 

3.母国語が完璧であり、日本人の特有の思考や文化を理解しないといけない。

 

世界中に華僑が散らばっています。

 

彼らは華僑同士でビジネスをし、商談は中国語で行われます。

 

グローバルだけど、非常にローカルな世界。

 

 

これは華僑に限った話ではありません。

世界に散らばるユダヤ人も、インド人もそうです。

 

海外に教育移住した人で、

 

“うちは日本人とは付き合わない、英語の世界で育てる”

 

という方がいらっしゃいますが、

どれだけやっても、アメリカ人にも、イギリス人には

残念ながら、なれませんし、肌の色も変わりません。

 

白人社会に入ろうとすればするほど、

人種差別に悩むことになります。

 

子どもは外国語の吸収が早い分、母国語を忘れるのも早いため、

子どもの頃に日本を離れた場合、日本語教育に

最も力を注がないといけないと思います。

(日本人コミュニティ、日本人向けの学習塾、読書、作文の通信教育など)

 

日本人から、日本人として認めてもらえない、

アメリカ人からは、日本人としか見てもらえない、

自分は一体、何人なんだろう、、、という悲劇が起こります。

 

冒頭に申し上げましたが、

教育はやり直しがきかないので

情報に振り回されて、ころころ変えていくのは

望ましくなく、しっかりとしたコンセプトに基づいて

実行していく必要があります。

 

 

4.日本と海外と結び、発展に貢献する。

 

明治時代、高度成長期においては、

日本は海外から非常に多くを学び、

取り入れてきたことで発展してきたのだと思います。

 

ここ10~20年間ではどうでしょうか?

 

 

日本製が一番品質が良い、日本はなんでも優れている。

日本人は勤勉で、優秀だ。

 

韓国メーカー? 台湾メーカー? 中国メーカー? 

どうせ、ダメに決まってる。

 

こういう価値観をもった世代の方が今だに

いらっしゃいます。

 

 

では、今はどうでしょうか?

 

モバイル(電話・パッドなど)は、

AppleとSAMSUNGの2強体制になり、

先端技術は、今や韓国、台湾、中国抜きでは、

開発と生産ができません。

 

一人当たりのGDPが日本より高いにも関わらず、

シンガポールや香港はまだ成長しています。

 

マレーシア、タイ、インドネシア・・・

 

このダイナミックなアジアの成長は、

日本の中では感じることは難しいです。

 

日本を外から見ることで、

日本の良い点、悪い点、そして必要なことが見えてくる。

 

これこそが海外でなければ、分からないことです。

 

これから生き抜いていくために

どんな経験と教育を受けさせたいか、

そして、日本人であることの優位性をいかに保ち、

海外と日本の架け橋になれるか。

 

 

最近、海外への教育移住が注目されていますが、

日本を離れれば、失うものもあります。

 

しかし、得るものも大きいため、

物事を整理して、

教育設計をしっかりされておくことをお勧めいたします。



 

 

     
   
     
   
     
   
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